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【政治】 勤労世帯に広がる"貧困"の実態 30歳代前半で年収300万円未満の男性正規雇用の比率が20%に

1 :ポーク‥‥φ ★:2009/10/29(木) 06:23:13 ID:???

★勤労世帯に広がる貧困の実態
●失業者の5人に1人しか保障を受け取っていない

 現在の貧困問題を語る上で第一に指摘しなければならないのは、
もともと日本の社会保障や最低生活保障が勤労世帯向けにはほとんどゼロに等しいことがあげられる。
例えば、およそ十分ではないが、非勤労世帯向けには老齢年金、障害者年金があり、
母子世帯については児童扶養手当があるが、働く能力を持っている世帯については、ほとんど何もない。

 注意を払わねばならないのは、現状では、失業時の保障が失業者の5人に1人しか与えられていない事実だ。
こうなってしまったのは、ごく最近の出来事だ。1960年代半ばだとほぼ100%の失業者がもらえていたし、
70年代の半ばくらいくらいまでは80%程度がもらえていた。だが、「失業保険」から「雇用保険」に制度が切り替えられ、
失業時の生活保障という従来の目的から失業者のスムーズな労働移動という方向に制度の重点が移った。
そして、臨調行革のころに一段階、それから今度の構造改革で一段階というふうに制度が次々と変わっていった。

 現在の雇用保険は非正規の労働者の増加に対応できていない。さらに、低処遇の正社員の増加にも対応できていない。
もともとの補償額が低いうえに、給付期間がどんどん短くなってきているからだ。
それに引き換え、失業期間は長期化している。

 また、元来からそうだったのだが、自営業もしくは家族従業者が失業した場合の保障が何もない。
90年代の半ばくらいまでは、失業しても転職先が確保できていた。現在はどこかに雇ってもらおうというような
転職の仕方が困難になっており、失業者がすぐに生活に困る状態になっている。

 その結果、生活を保障されない失業者が大変な数にのぼり始めた。もともと失業者を十分に保障できない
制度構造を持っていたが、そのもとで失業者の数がすごい勢いで膨らんだのが過去10年間だ。
雇用保険によって保障されない失業者は1970年代の10数万人から2000年代は200万人に増加した。
ここで、貧困層を生み出す一つの大きな原因ができあがった。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091023/190802/?P=1

続きは>>2-5 >>6-9あたりに

2 :ポーク‥‥φ ★:2009/10/29(木) 06:24:01 ID:???
●フルタイムで働く非正規雇用、低所得の正規雇用が増加した

 もうひとつの貧困の大きな原因は、非正規雇用の増加だ。
従来のパートタイマーやアルバイトといった非正規雇用ではなくて、その賃金で自分が生活しているという
「自立生活型」の非正規が非常に増えた。これらの人たちは大部分がフルタイムで働いている。
就業構造基本調査とパートタイム労働者総合実態調査を組みあせて推計すると、
こうした労働者は1997年に男女合わせて207万人だったが、2007年には434万人にのぼっている。
要するに、200数十万人という幅で自立生活型の非正規労働者が増えたわけだ。
非正規労働者の給与水準と雇用の不安定さは言うまでもなく、ここでも貧困層が大規模に生まれたとことになる。

 3番目は、低所得の正規雇用労働者が増加したことだ。
男性の場合は、女性のように一挙に非正規化したというよりは、8割程度の正規雇用比率を保ちながら、
次第に低所得化していったというのがこの10年の大きな変化だ。
たとえば30歳代前半で年収300万円未満の男性正規雇用の比率が1997年には11%だったのが2007年には20%になっている。
特に若い年代層を中心に低処遇の正規雇用労働者が男性の中で増えている。

 この300万円という数字は、子どもがいて、奥さんがパートにも出られない専業主婦だと考えると、
生活保護基準を切る数字になる。ここでも貧困世帯が相当増えたと考えられる。
製造業からサービス業、販売流通に雇用がシフトしてきたのがひとつの原因だ。それだけではなく、
非正規のフルタイム労働者がいろんな場所に入り込んできており、そことの競合関係で賃金決定がなされ、
引きずられる形で賃金が低くなっている。

 また、自営業と家族従業者が、この10年間で大きく所得を減らした。
これには、不況の影響と規制撤廃の影響がある。特に流通業において大規模小売店舗法の規制撤廃が何段階かで進んできた。
大規模な流通業との競争関係で負けた小さな流通小売業の落ち込みが激しい。
また、80年代後半から製造業の大企業が海外進出を進め、部品の調達も国内から海外にシフトしている。
中小企業、零細企業は産業空洞化の影響をもろに受けている。
以前のように商売をたたんで雇用労働に転職できる要素が少なくなったので、
商売としては成り立っていないのに、なお自営業の体裁を保っているという人たちも相当増えている。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091023/190802/?P=2

3 :ポーク‥‥φ ★:2009/10/29(木) 06:24:13 ID:???
●「貧困」問題への対応が遅れた日本

 こうした変化に対して労働経済白書は労働分配率が低くなってきたことは指摘しているが、
生活保障のない失業者が200数十万人にものぼるといったことには一切触れていない。
それは、雇用保険制度の根幹にかかわる問題であり、今さら制度が誤っていたとは言いにくいのだろう。
経済成長が続いているころは、次々と失業者が生まれてもみな再就職を果たしてきた。
だから、ワーキングプアの比率は90年代半ば以前は1割いるかいないかだった。
だが、ヨーロッパ諸国だったら、貧困率が1割なら、政府が何らかの施策を取っている。
日本の場合には貧困率の計算すらしておらず、数字を公表したのは今度の民主党政権がはじめてだ。

 1965年までは公的な貧困統計が出ていたが、高度経済成長が一時的な現象ではなく、
長期に続きそうだという自信が出てきたため、その延長線上で生活保護を充実しなくてもいいというムードが出てきたのだろう。
また、60年代の貧困問題は零細企業でフルタイムで働いていないとか、
農村と都会をいったりきたりしている不完全就業者を対象としていた。
そうした失業者は、膨れ上がってきた経済に吸収されて、やがて消えるだろうと考えられた。

 こうした制度の不備を転換する可能性があったのは70年代前半だ。
この時期、相変わらず勤労世帯向けの保障は発達しなかったが、保育園、障害者福祉、高齢者医療などの
対応については丁寧になっていった。70年代は福祉が高度化した時代だが、勤労世帯の生活最低保障をするという
考え方は定着しなかった。この時期、いったんマイナス成長になったものの、すぐにプラス成長に転じたことで、
本格的に高い失業率を受け止めて社会全体を変えなければならないというふうには日本はならなかった。
さらに80年代には日本だけが独り勝ちという状況になって、制度転換のチャンスを失った。

 民主党政権になって、はじめて本格的な最低生活保障を全ての人に対して制度的に考えないと、
とんでもないことになるというムードが出てきた。
ただし、民主党も「福祉国家型の国家をつくる」というところまで方針が定まっていない。
断片的なマニフェストの公約が並んでいるが、それらを福祉国家型の最低生活保障とした統一した
政策思想で裏打ちするというふうにはなっていない。
だが、民主党が打ち負かした自公政権でさえ、昨年の秋以降は大きな政府型に徐々に転換してきた。
どのような政権になっても、大きな政府をやめて小さな政府へという路線は今さら取ることはできないだろう。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091023/190802/?P=3

4 :ポーク‥‥φ ★:2009/10/29(木) 06:24:22 ID:???
●社会サービスへの公的支出が少なすぎる

 生活保障という問題を考えるうえで、「公的社会支出」という概念に注目したい。
これは、OECDが各国の社会保障のシステムを計るために使っている物差しだ。
日本の社会保障支出よりも概念が広く、住宅保障、失業保障、職業訓練の費用などが入っている。
社会保障というよりは生活の社会的支援全般を含んでおり、社会サービスと所得保障両方を含んでいる。

 そのGDP比率を各国比較してみよう。
特に勤労世帯に関係あるものは、家族関連支出とか積極的労働市場政策(職業訓練)、
失業補償、住宅保障、生活保護だが、これをひとまとめにして、その対GDP比率を並べてみると、
日本はなんと最下位から2番目である。平均が5%か4%のところ日本は1.7%しか支出していない。
日本の場合、勤労世帯の生活が安定することに、政府が貢献する割合が非常に低いということを示すデータだ。
日本の経済力を考えると異様な状態を示している。

 この公的社会支出の中には教育費は入っていない。
小学校から大学院までの各教育ランクの教育機関の費用で国や自治体が出している公的費用の対GDP比率を見てみよう。
30カ国のOECD加盟国の中では日本が最下位の3.4%である。平均は5%前後というところだ。
それから見ると、平均の60%程度しか日本は出していない。

 先ほどの勤労世帯向けの公的社会支出と併せて考えると、日本の場合「自己責任」に任されている
生活領域が非常に大きいということになる。もっとも、こうした費用を公的に保障するとなると、
社会保険料や租税でたくさんの財源負担を企業や国民が受け入れるかどうかという問題が出てくる。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091023/190802/?P=4

5 :ポーク‥‥φ ★:2009/10/29(木) 06:24:32 ID:???
●国民皆保険の理想と程遠い医療サービスの基盤

 生活基盤を考えるうえで医療の問題は重要だが、生活保護を開始したときに何%の人が
医療保険に入っていない状態なのかを見てみよう。
2007年の統計で、未加入率が22.5%、その他追跡ができないのが12.1%、合わせて34.6%いる。
つまり、生活保護を開始する人の3人に1人は医療保障がなされていない状態なのだ。
これは日本全国の平均値だが、さらに地域別に見るとより状況は深刻だ。
大都市部は軒並み4割から6割という高水準の未加入率になっている。
これは勤労世帯でもグラデーションをなして、医療保険がない人が分布していることを示している。
つまり、日本の社会保障の基礎部分が壊れているのだ。

 以上見てきたように、勤労世帯についてはきちんとした社会保障があまりなされていない。
「自分で稼いで自分でサービスを買いなさい」という原理が生活領域のすべてにわたっている。
失業して雇用保険を受けられないか、あるいはそれが切れたその後、勤められないという状態が長く続くと、
いかなる制度でも救えなくなってしまう。勤労能力があれば頑張れるはずだといっても、身体が弱い、
知的に劣るなどのボーダーラインの人たちは働く場所がなくなってくる。
勤労世帯を「自助努力」に任せて放置していると、必ず一定数の落ちこぼれが生まれる。
そこに経済的危機が追い討ちをかけているというのが最近の状況だ。
日本の社会保障は非常にいびつな状態にあるという真剣な反省をしないと、生活保護を増やすだけではどうにもならない。

http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20091023/190802/?P=5

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